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18日講演『漆黒の闇夜に浮かぶビントロング』

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  • 3 日前
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更新日:19 時間前

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 ①10/18(土)14:00〜14:45

『漆黒の闇夜に浮かぶビントロング』

中林 雅さん

広島大学大学院統合生命科学研究科准教授。専門は動物生態学、熱帯生態学。高校生の時にボルネオ島でシベット(ジャコウネコ)と遭遇し、シベット研究者を目指す。

ボルネオ島のジャングルでシベットの研究をするうちに研究対象がイチジクになり、コロナ禍後は研究テーマが野生動物とマダニの関係に変遷している。


 皆さんは「ビントロング」という動物をご存じですか?ビントロングは食肉目に属するシベット(ジャコウネコ)類の1種で、東南アジアの熱帯雨林に生息します。体毛は真っ黒でしっぽが長く、中型犬くらいの大きさです。樹高60メートル地点でも平気で昼寝するほど樹上生活に適応しています。尿がポップコーンのにおいがする(ポップコーンと共通する揮発性物質2-アセチル-1-ピロリンが含まれる)ことでも知られています。


 こんなビントロングですが、熱帯雨林の樹上でおもに夜間に活動するので、野生下での生態はほとんど知られていませんでした。ボルネオ島の熱帯雨林での8年間にわたる行動観察と個体追跡、および化学分析から、ビントロングは食物をイチジクなどの果実に強く依存していること、イチジクが結実するタイミングを理解している可能性、イチジクでも種や個体によって好き嫌いがある可能性、ボルネオ島に生息する近縁のシベット3種と比べて圧倒的にベジタリアンであることなどが分かりました。


 これまでの研究で分かってきたビントロングの生態をご紹介します。

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